離婚調停と養育費

みなさんは、配偶者との離婚を考えたことはありますか？経験がある方は、おわかりだと思いますが、離婚するということはかなりパワーが必要です。結婚はたやすいが、離婚は大変。離婚経験者のみなさんは、口をそろえてそう言いますよね。

 

離婚には、財産分与とか、養育費とか、ローンの連帯保証人をどうするとか、いろいろな問題が付随してきます。これはきっと経験した人でないとわからないでしょう。

 

好きで一緒になったけれど、離婚をしようとする際は、もう相手を思いやる気持ちがお互いにない状態になっていることが多いです。ですから、離婚でもめてしまうのは、自分の要求ばかり言い合うことになるからでしょう。

 

また、お互いに冷めてしまっているのなら、離婚もすんなりできるでしょうが、片方が別れたくて、もう片方が別れたくないという場合は、スムーズに離婚ができるわけがないのです。相手に納得して、別れてもらうまで時間がかかったというようなケースもよく耳にします。

 

養育費や慰謝料について、夫婦で話合いがつかないケースもあるでしょうし、離婚に応じない相手が話し合う時間を作ってくれずに、話合い自体が不可能なケースもあります。

 

そんな場合には、いつまでも二人だけで話し合おうとしていると、時間がかかるだけですよね。このような、らちのあかないケースは、家庭裁判所の調停手続に入ることが一般的です。

 

調停手続では、離婚自体のことを話すだけでなく、子供がいる夫婦は、離婚後に、親権者を誰にするかを決めます。また、親権者にならない親は、子供との面接を今後、どうするのか、月に何回、面会するとか、そうした細かいことも決定して行きます。

 

 

調停においては、養育費はどうするのか、毎月いくらにするのか、財産分与はどのように分けるのか、年金分割、または、慰謝料についても決めることになります。調停では、このように、離婚する、離婚しない、だけではなくて、養育費やお金のことなども、離婚にまつわるすべて問題を一緒に話し合うことが可能です。

 

ですから、離婚に伴った様々な問題が、家庭裁判所の調停では、はっきりするので、当人同士で話し合っていても、前に進まない場合などは、調停に踏み切ったほうが良い場合もあります。「おおごとにしたくないから」と当人同士で話し合いを何年もかけて続けるより、時間と労力の節約になるでしょう。

 

また、子供を扶養する義務は、片方だけでなく、両親にあるものです。ですから、親が離婚しても、お互い、経済力に応じた養育費を分担する義務が発生してきます。

 

みなさんが持つ、養育費のイメージとして、別れた父親が、子供を引き取った母親に払うお金、と言うような理解をしている人も多いと思います。確かにこのようなケースも多いですが、基本的には双方が養育費を分担しなければならないということです。

 

養育費は支払うことを同意したとしても、実際にいくらにするかなど、金額についての話合いが、どうしてもまとまらない場合もあるでしょう。そんなケースでは、子供を監護しているほうの親（親権があり、子供を育てている方）から、相手方に対して、家庭裁判所に調停申立てをします。そして、法律の下、養育費の支払いを求めることが可能です。

 

 

離婚の調停中であっても、養育費について話合いをすることはできます。また、別居中に、養育費の支払いを求める場合には、婚姻費用の分担の調停の中で、養育費について話合いをすることも可能です。

 

そして、一度、決定した養育費であっても、その後、環境や事情の変更があった場合には、金額の変更を調停に申し立てが可能です。例えば、離婚した相手が再婚して、新たに扶養してくれる人が増えれば、それまでの養育費が不要になることもあるでしょう。

 

不要にならなくても、養育費を減らすことになったり、反対に、子供が進学して養育費を増額したいケースだったり、月日が経つに連れて家庭の事情も変わってきますからね。

 

養育費についての調停では、実際に子供の生活や教育に、どれくらいのお金が、かかっているのかということや、双方の収入がどれくらいあるかということなど、すべての事情を調停では話すことになります。

 

必要に応じて、証明できる資料などの提出を求められます。調停では、このようにプライバシーに関することも、赤裸々になるということは覚悟しておかなければなりません。

 

また、調停に入れば、すべてが解決するというものではありません。調停での話合いが、結果、まとまらずに、調停不成立になるケースもあります。この場合、自動的に審判手続が開始されることになります。

 

双方の意見を言い合っていても解決しないということで、最終的に家事審判官が、それまでの事情を考慮し、審判をすることで決定します。

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